2009年09月12日

ポラス暮らし科学研究所の系譜

ジャパンカップ要項の制限が変わっていく契機の多くの部分に、ポラスが毎回提案する壁の影響がある。要項の読み込み、そこから可能性を探り、新しい発想を組立て、それに伴う材料の選択、施工・解体の手順や工具の選択、予備実験による性能検証など本気度が明らかに他のチームを上回る。狙いは総合得点ではなく、あくまでもトーナメント戦(強度部門)の優勝。つまり最強の壁を目指している。トーナメント戦は通算5回の優勝(8回出場中)。

しかし、予選突破には、必ずしも強度があればよいというわけではなく、総合点で8位以内には入らななければトーナメントには進めない。そこがこの競技の面白いところ。どうしたことか、第11回の昨年はそのポラスが苦渋を飲んでしまった。
予選用の仕様と決勝用の仕様の造り分けなどは、大会後ごとの議論のテーマになるほどだった。改変された制限を再び超える提案でチャレンジしてくるのがポラス魂といえるのだろう。昨年の借りは、きっちりと最終回にという想いであるに違いない。

第7回からは他のビルダーの参戦により、企業間の戦いの様相が鮮明になってきた。その戦いがジャパンカップの楽しみにもなった。強さを求めるのは人間の本能なのかもしれないし、企業としては、勝ち負けが出るだけに分かりやすい営業効果があるのだろう。第10回の決勝戦は水入り再試合になるほど拮抗した高強度の耐力壁の戦いとなり、木造の次元を超えるものと思えた。一方で、この戦いで勝利したポラスの「短足の後進」は、金物使用に対する木造耐力壁としての適正な作り様とは?という議論にもつながることになった。
競技の中でポラスの見所は、対戦もあるのだけれど、何といっても解体のときのパワフルさが他を圧倒している。丸ノコでアンカーボルトをも切断する荒業、掛け矢やバールの激しい使い方など見ごたえ満点であった。しかし、これには危険も伴うことであり、使用工具の制限、解体エリア外へ飛び出た端材へのペナルティなど要項の見直しにつながっていくことになった。
組立てでは、ビスの打ち方、薄鉄板の使い方、補強の考え方など実用的に参考になる工夫がなされていることがよく分かり、実際にその構造的効果を加力戦で見ることができるわけだ。このブログの中でも気づいた点は示してきたつもりだが、動画でないとわかりにくいかもしれない。
 [記事記述 2009.09]
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2009年09月10日

日本建築専門学校の系譜

木造耐力壁ジャパンカップの発祥の地である日本建築専門学校。稲山氏の木構造の授業で行っていた、1/10の壁の模型の耐力実験を実物大で行ったところからこの大会が始まっている。学園祭のイベントとしても位置づけられ1998年を第1回目としてスタートする。学生諸君にとっては原寸でものを考えるには格好のトレーニングになるはず。形の検討はもちろんだが、原寸となれば理屈抜きで、材料の選択の良否、自分たちの施工精度の高さまで、自分たちの基準をしっかりと定めておかないと目標が定められない。

当初は、トーナメント戦の勝ち負けで、ある意味分かりやすい評価であったが、回を重ねるたびに課題が生じて、それに対する制限の設定、評価項目の追加など総合的に評価する方向に向かっていった。どんなに耐力があっても、施工法に実用性が無いものは淘汰されていくことになる。
確か、第2回、第3回目ぐらいまでは、出場耐力壁は希望すれば、日建生が施工してくれる対応もしていた。しかし、あまりにも手間がかかる壁が提案されたことがあり、問題となったことがあった。そこで工数を無視したものに対する制限が課せられる契機となったと記憶する。金物の使用量の制限や合板や集成材に対する使用ルールなども大会後に毎回検討され次回に生かされることになる。

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 大会会場の壁面に飾られた歴戦の耐力壁の模型

そういった流れを全て見て知っている日建生にとっては、大会に参加し、運営する立場でもあり、耐力壁の勘所は確実に伝統として受け継がれてきた。最近の大会を見れば確実に決勝Tにも進むことは確実で、ジャパンカップも2度獲得するなど安定した実力をつけている。
 [記事記述 2009.09]
■日建の系譜を見る
posted by 太郎丸 at 13:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | チーム別木耐JCの系譜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする