2012年09月18日

第15回木造耐力壁ジャパンカップ

s2012_0915_5000.jpg

初戦に勝たなければ始まらない。そんな厳しいルールとなっている木造耐力壁ジャパンカップ。この厳しさが今年の大会に如実に現われた感じだ。
40KNを超えても初戦を突破できない対戦もあった。対戦の組み合わせは運頼みでしかないため、力を発揮できないまま去らざるを得ない壁もあった。その悔しさが、来年へとつながっていくだろう。

総合優勝は、昨年2位の総合点を獲得した壁の改良版であり、昨年より9ポイント以上のアップのための工夫がどこにあったのか。
トーナメント戦の勝者の壁の部材数の少なさ、その構成のシンプルさ、納まりも特殊な方法でない。しかし、60KN近くまでの耐力を発揮し、施工性も高く実用的な壁となり得るものであった。

金物使用の壁が少なかったこと、樹種の選定にその可能性を見出そうとしたことなども今回の特徴だったように思え、木造の奥の深さをより実感できた大会となった。

今年は、3日間立ち会うことができたこともあり、その様子をこのブログでお伝えできればと思っている。

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第15回木造耐力壁ジャパンカップの結果

2012_0916_023ss.jpg壁の基本性能が一段と高まったというのが今回大会の印象だ。一回戦突破のハードルが高くなった。また、金物を用いずに木の接合だけでも工夫次第で高耐力の壁をつくる事も実感できた。
なんといっても、今回はポラス暮らし科学研究所の壁から金物が消えたことはその印象をより強めるものとなった。
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posted by 太郎丸 at 05:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 2012-09・第15回耐力壁JC−T | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012_0916_117-300.jpgチーム「KYT」 
最大荷重   34.97KN
最大変位 291.20 mm
特徴(パンフより)
耐力壁名である『筋』が示すように、水平力に対抗する部材の代表である筋交いを交差させて数多く用い、剛性を向上しています。
土台には強度の高いイペを使い、3本の柱と土台をやといを用いて一体に固定し、柱脚の引き抜きを防いでいます。
土台・栓:イペ  栓:樫  柱脚雇い:構造用合板  その他:桧
非木材 使用しない
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二代目ダイアゴナル

2012_0916_069-300.jpgポリテクカレッジ滋賀 
最大荷重 32.07KN
最大変位 328.40mm

特徴(パンフより)
二代目ダイアゴナルは、昨年度の初代ダイアゴナルを基に、最大荷重と初期剛性の向上を目指し仕様を変更しました。
その結果、初代と比較して、貫の勾配を大きくすることによって、貫と柱の接合部でより圧縮と引っ張り両方に対応できるようにしました。

土台・桁・貫:地松(アカマツ) 柱:地松(アカマツ)・杉  込栓:樫
非木材 使用しない
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夜佐駆 

2012_0916_066-300.jpg四国能開大 
最大荷重 29.67KN
最大変位 381.60mm

特徴(パンフより)
この壁は、金物や接着剤、ブレースなどを一切使わずに、木材の曲げとめり込みにより抵抗する機構となっています。また、四国産の材料を用い単純な加工のみで製作しています。耐震ユニットを下部に配置し,貫材にタモ材を使用し,耐力壁の剛性を向上させました。

桁・柱:杉 柱・土台:ひのき 横貫:タモ 
非木材 使用しない
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ポリテクX 

2012_0917_049-300.jpg東北職業能力開発大学校 
最大荷重 31.27KN
最大変位 254.00mm

特徴(パンフより)
「金物を使ったら負け」を合言葉に取り組んできた。今回の壁は筋かいの剛性と横貫の粘りを両立できるように設計を行ってきた。

筋かいを横貫で固定することで、金物を使わずに強度を出すことに成功した。また、フレームの中にもうひとつフレームを作ることで、柱の負担を減らし、解体を容易にし、剛性が出るようにした。
土台:クリ 柱、桁等:ヒノキ 込栓:カシ
非木材 使用しない
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posted by 太郎丸 at 10:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 2012-09・第15回耐力壁JC−T | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

LLサンド

2012_0916_111-300.jpg東京都市大学 大橋研究室 
最大荷重  36.56KN
最大変位 248.40mm

特徴(パンフより)
この耐力壁は、柱を5組の横架材で挟み込むことで、めり込みにより耐力を発揮するように工夫しました。また、柱脚部分の込み栓による土台の割裂を避けるため、2枚のやといで引き抜きの力を負担し、その横の足固めで回転の力に抵抗するように考えました。

桁:桧  柱・土台・横架材:桧  込み栓:樫  柱脚雇い:合板
非木材 使用しない
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紬(つむぎ)evolution

2012_0916_033-300.jpgチーム匠
(アキュラホーム+東京大学木質材料研究室+篠原商店) 
最大荷重   59.34KN
最大変位 181.20mm

特徴(パンフより)
金物を一切使用せず、接合部に長ほぞを採用。間柱を互い違いに配置し、帯材を2本中間に配置する。
その形状と制作過程は伝統工芸品である織物のはたおり〜紬〜をイメージさせ、紬の丈夫さとしなやかさの特徴を持つ。
昨年総合優勝した「紬」をより洗練させ、光と風の抜ける美しさに加え、高耐力を共存させた耐力壁です。

桁:桧  柱・間柱・帯材・土台・込栓:樫 
非木材 使用しない
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ぶっつけ!

2012_0916_030-300.jpg東京工業大学 坂田研究室 
最大荷重  19.78KN
最大変位 363.60mm

特徴(パンフより)
貫壁をベースとした「ぶっつけ!」。大きな貫、貫のめり込み面積を増やす合わせ柱、柱を一体化させる車知栓と割楔、柱脚による土台の破壊を防ぐ重ね土台がポイント!
予備試験を行なっていないため実力は未知数ですが、我々は「ぶっつけ!」を信じています!
だって、諦めたら試合終了だから…。先生…!壁試験がしたいです…。

桁・独立柱・重ね土台:すぎ 楔・車知栓・込栓:かし その他:ひのき
非木材 使用しない
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2012年09月15日

東濃桧の壁3 〜白糸の滝〜 

2012_0915_206-300.jpg東京大学木造建築コース
          +金子建築 
最大荷重  51.95KN
最大変位 272.40mm

特徴(パンフより)
岐阜県の東濃地方を中心に産出される桧の銘木“東濃桧”を木部のほぼすべてに使用した壁です。材料は岐阜の金子建築の倉庫にあった地場産材です。白く美しい桧を直線状に配置することで白糸の滝のような美しさを、土台と柱材をせいの大きな材料で補強することでトーナメントを勝ち抜ける強さを両立できるように設計しました。

木材:東濃桧     非木材:ビス、ボルト
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クロスファイヤー

2012_0915_178-300.jpg秋田職業能力開発
         短期大学校 
最大荷重  26.77KN
最大変位 337.20mm
特徴(パンフより)
柱脚は金物で固定して引抜き力を抑えて、交互に斜材を配置して水平力に抵抗する耐力壁として設計しました。
土台・柱・貫:国産桧  独立柱・間柱・横材:秋田すぎ  込栓:白樫 楔:ブナ               
非木材 座付きボルト M16 ナット 座金
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数寄檗改

2012_0915_118-300.jpg小松組+安井杢 
最大荷重   24.88KN
最大変位 344.80mm

特徴(パンフより)
伝統的な建具の意匠を取り入れた壁。小さなフットプリントを追及した。斜格子を有効に働かせるため、材料に圧縮杉材を用い、端部は枠木の中で相欠きする仕様。
部材点数が多く、精度良い加工が求められるため、時間内の施工が注目点。粘りある壁体仕様ではないため、桁の浮き上がりで剛体回転が生じることを期待している。

桁・土台:桧 柱:桧、杉 格子材:圧縮すぎ 枠木:桧、シラカシ 込み栓:圧縮すぎ
非木材 使用しない
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HPW06 returns

2012_0915_209-300.jpgハウスプラス住宅保証
株式会社 
最大荷重   31.47KN
最大変位 395.60mm

特徴(パンフより)
昨年の改良版となります。柱4本で構成される耐力壁の中段に貫を入れ、各柱の間の柱頭部、貫部分、柱脚部にそれぞれ中間材を配置しました。
これらの中間材は込み栓もしくは柱のミゾによって柱と連携しており、これにより擬似的なブレースとして機能することを期待しています。また、耐力壁の外側の柱の柱脚はやといほぞとしています。

桁・中間材・貫:ベイマツ 土台:桧 柱:桧、杉 雇い:けやき 込栓:かし 
非木材 一部込栓:アルミ
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めりこみ男子 

2012_0915_116-300.jpg早稲田大学 新谷研究室 
最大荷重   28.97KN
最大変位 265.20mm
特徴(パンフより)
国産材のみで設計されている壁で100箇所の三角めりこみにより抵抗する。間柱を切欠き、板を前後に差し込むことで立体感のある壁を表現した。
横架材は桧との色合いのコントラスト、めり込みへの強さから米松を選択した。柱脚の引抜き力を間柱も負担できるようになっている。
土台・柱・間柱:桧  桁・貫:ベイマツ  ダボ・楔:樫                              
非木材 使用しない
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ITAMADO

2012_0915_151-300.jpg東大×LIXIL×キダテ
最大荷重   44.36KN
最大変位 276.40mm
特徴(パンフより)
縦材と横材を貫き加工で格子状に組み上げ、それぞれのめり込みによって均等に負担させるようにしました。
また、開口部にガラスを組み込むことで機能だけでなく、室内間仕切りなど新しい使い方を模索しています。

土台、桁、柱、縦板:ヒノキ
帯材:ベいマツ
非木材:ビス、ガラス
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BONE(ボーン) 



2012_0915_150-300.jpg
株式会社
ポラス暮し科学研究所 
最大荷重   51.15KN
最大変位 180.04mm

特徴(パンフより)
『BONE(ボーン)』は、基本ユニットを積み上げることで構成する積み上げ式耐力壁です。
名前は耐力壁のシルエットが『背骨』に見えるところから付けました。
特徴は、耐力要素を積上げ式で構成することによって、従来の耐力壁では対応の困難な耐力壁高さが非常に低い壁、非常に高い壁であっても高さ方向の調整が容易に行なえることです。

土台:イペ 梁:ヒノキ  柱:ヒノキ、豪州ヒノキ 耐力要素:ヒノキ 
非木材 使用しない
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翼 

2012_0915-01-300.jpg中里先生とゆかいな仲間たち
日本建築専門学校
 
最大荷重   17.68KN
最大変位  235.60mm
特徴(パンフより)
今回の壁は左右合せて六つの筋交いで変位が伸びるごとに柱をおさえて荷重と変位を稼げるように設計しました。
かつて我が校で大会に挑んだときのジュディオングをベースに、デザインと強度のバランスを重視して再考しました。
また、土台には込栓ではなく堅木と車知を用いて、粘りが出るように工夫しました。
桁・控柱:杉  土台・柱・添え柱・筋かい:ひのき  雇・しゃち栓:ケヤキ 込栓:樫
非木材 使用しない
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2012年09月14日

第15回 16チームによる戦いが始まる

今年で15回目となる木造耐力壁ジャパンカップが明日から始まる。
初戦は絶対に勝たなければ、どんなに総合点を稼げる可能性があっても初戦敗退はとても悔しい思いをするルールとなっている。
その戦いの前にすでに、出場日程の選択でその可能性の幅が決まってしまうかもしれない。

常連チームの歴代の壁を並べてみるとそのチーム傾向がなんとなく見えるものだ。強度重視型、更に粘りも加えなど壁の総合性能が高くなければ上位進出は狙えない。

中強度で粘りをその特徴にした壁は、初戦勝ち抜ければ2戦以降で総合点を稼げる可能性は高い。
そういった壁が勝ち上がるには、初戦相手のくじ引きで「当たり」を引けるかどうかで決まる。そうは言っても簡単に「当たり」などと言える状況でないほど力が均衡しているのも事実。最後に打っちゃりがある対戦も見られ、やってみなければ分からない。

今までの実績を見ると、少なくとも初戦であたりたくないのが1日目であればポラス、2日目であればチーム匠であろう。
常連の中に初参戦のチームも見受けられる。どのような戦いが繰り広げられるのか。今年はどんなドラマが生まれるか楽しみだ。


 ・以下公式ホームページより


予選2日間に出場する予定者リスト(申し込み順)


◆9月15日(土)
  株式会社ポラス暮し科学研究所
  中里先生とゆかいな仲間たち
  小松組+安井杢 
  東大×LIXIL×キダテ
  東京大学木造建築コース+金子建築
  秋田職業能力開発短期大学校
  早稲田大学 新谷研究室
  ハウスプラス住宅保証株式会社


◆9月16日(金) 予選出場チーム
  チーム「KYT」
  東京芸大
  ポリテクカレッジ滋賀
  四国能開大
  チーム匠(アキュラホーム+東京大学木質材料研究室+篠原商店)
  東京工業大学 坂田研究室
  東京都市大学 大橋研究室
  東北職業能力開発大学校


※対戦の組み合わせは当日のくじ引きで決定します。
※予選2日目の対戦が終了後に​交流会が行なわれます。
 (会費は1人2000円、学生無料​)

[追記]
 2日目は一体が不参加となって、不戦勝枠が設けられることになっていました。

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2012年06月04日

第15回木造耐力壁ジャパンカップ開催のお知らせ

2012-0915mokutai kokuti001.jpg
今年で15回目となる木造耐力壁ジャパンカップが下記要領にて開催されます。
木造耐力壁ジャパンカップ実行委員会より要項等が発表されました。
常連の皆さん、チャレンジャーの皆さん、富士山の裾野に自慢の壁をお持ち寄りください。
【日 程】
 1)公示開始平成24年 6月1日(金)
  2)申込期間(申込用紙提出ならびに参加費振込み期間)
平成24年 7月9日(月)〜8月10日(金)17:00(含む参加費振込み)
 3)データシート等
   提出期間
平成24年 8月20日(月)〜9月 7日(金)17:00(必着)
 4)開催日平成24年
9月15日(土)予選1日目 8体分の施工時間計測と対戦
9月16日(日)予選2日目 8体分の施工時間計測と対戦
9月17日(月)決勝戦 予選を勝ち抜いた8体によるトーナメント戦
【開催場所】日本建築専門学校
 〒418-0103 富士宮市上井出2730番地の5
※詳細は公式ホームページをご覧ください。
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posted by 太郎丸 at 10:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 2012-09・第15回耐力壁JC−T | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする