11/28、12/4に兵庫県三木市にあるEディフェンスで伝統的木造軸組構法による実物大住宅の震動実験が公開で行われました。
A棟(部材断面の大きな「地方型」−12/4実験)、B棟(A棟より部材断面がやや小さい「都市近郊型」−11/28実験)の2棟に1995年兵庫県南部地震(阪神大震災)のときに神戸海洋気象台で計測された地震動(JMA神戸)100%による加震実験です。実験の目的、概要は当日の配布資料(最下段リンク)よりご確認ください。
※以下はYouTubeに公開の動画を活用させていただきました。
※Eディフェンスで公開の動画へ
■B棟(11/28)の動画
この実験は、伝統的構法の設計法及び性能検証実験検討委員会((財)日本住宅・木材技術センターに設置)によるもので、今年度から3ヵ年かけて伝統的構法に関する設計法を構築するための初年度の取り組みとして行われました。
2棟とも前日には、建築基準法で想定する中地震および大地震に相当する地震動を梁間方向、桁行き方向にそれぞれ受けており、ある程度の損傷を受けた状態にJMA神戸100%の地震動が加えられました。
倒壊することはありませんでしたし、残留変形も小さなものでしたが、土壁の剥落、柱の折損が確認されています。詳細は近々に住木センターにて公表されます。
差鴨居、足固めなどの伝統的な架構の要素技術の効果や課題について様々な視点で検証されていくことになるでしょう。今回の実験では、足元の固定について水平移動は拘束するが、上下方向に関しては一定の範囲で許容するようにしていました。その効果がどの程度あったのか?たいへん興味深いところです。また、水平移動を拘束しなかったらどういった結果になったのかも同時に検討課題として議論の俎上に上ることにもなるでしょう。
公開実験後に再度大地震動を入力しました。B棟は公開実験と同じ、JMA神戸100%。A棟にはJMA鷹取100%。地震動の性質がまったく異なることが分かります。JMA鷹取の破壊力の大きさには驚きました。(画像公開の機会は報告会等であると思います)人智の及ぶところでないという感想を持った損傷調査に関わった実務者も多かったと思います。
今後、冷静に課題を抽出して伝統的構法にふさわしい答えを導き出していくことが検討委員会には求められています。
基準法の求める性能と自然界では起こりうる数百年に一度の大地震との間を埋めていく考え方の整理がとても重要な時期にきています。
※関連するホームページ
| ■ | (財)日本住宅・木材技術センター | |
| ・伝統的構法の設計法作成及び性能検証の事業について | ||
| 委員会概要、実大振動試験棟仕様、図面、施工状況等のpdfが閲覧できます。 | ||
| ・実験結果の概要(12/25公開) | ||
| ■ | 独立行政法人 防災科学技術研究所(Eディフェンス) | |
| ・伝統的木造軸組構法住宅の震動台実験(2008年11月、12月) | ||
| 実験の概要(pdf)、B棟、A棟実験動画の閲覧ができます。 | ||
※関連するレポート(職人がつくる木の家ネット)
伝統構法木造住宅実大振動実験レポート
| 実験や委員会に関わっている会員が、目の前で起きた現象についてのその時点での実務者としての率直な意見が書かれています。 これから、新たな設計法がつくられていくことによって、この日に感じたことが解決されていくことを願います。[2009.1.26追記] |
※関連するニュース記事
ケンプラッツ(KEN-Plats)・・・上記と別アングルのB棟の映像が見られます
震度7に伝統木造住宅は耐えられるか、E-ディフェンスの実大振動実験
タグ:Eディフェンス







